ベッドで寝ている状態は英語でbe in bedです。病気で寝ている場合はbe sick/ill in bedと言います。
英語の前置詞inは「~の中に」あることを示し、onは「~の上に」(接触した状態)であることを示しています。bedの上で寝ているのだからonを使いたくなりますが、どうしてinなのでしょうか?
こちらの説明によると、in bedというのは掛け布団をかけて寝ている状態で、on the bedというのは、掛け布団の中にいない(掛け布団の上にいる)状態とのことです。やはり、inが「~の中に」にあることを示していると言えるでしょう。それではon the bedはどういうときに使えるのでしょうか?
寝るという行為を伴わないで物理的に「~の上に」ある状態を示すのであればon the bedがよいでしょう。本は寝たりしないのでonです。
I saw a book on the bed.
掛け布団までは使って寝ない犬や猫に対しては以下のように言うこともできると思います。
My dog/cat is sleeping on the bed.
人がただ物理的にベッドの上で横たわっている、あるいは座っているという状況を示すこともできそうですね。
He is lying/sitting on the bed.
さて、in bedとは言いますが、on bedとはならないことにも注意が必要です。in bedというのはベッドで寝ている状態を示す熟語のようなものなので無冠詞でいいのですが、onにはそのような使い方はないので、on the bed/on one's bedなどと言います。
ちなみに、sleepやbedは英語の世界ではあらぬ意味になって誤解されることがあるので、気を付けて使った方がいいでしょうね。私も一度誤解されて気まずい空気が流れたことがあります(笑)。
このブログでは私のライフワークである英語研究の記録を残していきます。日本の英語教育の問題や和製英語のような英語文化について考察しつつ、冠詞や時制のような日本人にはわかりにくい英語の法則や謎にも挑戦します。
2015年3月31日火曜日
2015年3月29日日曜日
私の泊まっているホテルをmy hotelと言ってもよいか?
「私の泊まっているホテル」を日本語では「私のホテル」と言うことがあります。こんなことを言うと、「へえ、ホテルのオーナーなんだ」とくだらない嫌みを言う人もまれにいます(笑)。
それでは英語で「the hotel where I am staying」を「my hotel」と言ってもいいのでしょうか?結論から言えば問題ないです。my hotel以外でもmy flight、my trainなどとふつうに言われています。
ただし、「my hotel」と英語で言われたときに、それがどういう意味なのかは文脈から考える必要がありますね。ほとんどの場合は「the hotel where I am staying」だと思いますが、この意味でも現在だけでなく、過去(the hotel where I was staying)、未来(the hotel where I will be staying)があるので、やはり文脈から意味を考えることになります。もしかすると、その人はホテルのオーナーなのかもしれません。いつもこのブログで言っていることですが、文脈は英語の理解にはとても重要です。
それでは英語で「the hotel where I am staying」を「my hotel」と言ってもいいのでしょうか?結論から言えば問題ないです。my hotel以外でもmy flight、my trainなどとふつうに言われています。
ただし、「my hotel」と英語で言われたときに、それがどういう意味なのかは文脈から考える必要がありますね。ほとんどの場合は「the hotel where I am staying」だと思いますが、この意味でも現在だけでなく、過去(the hotel where I was staying)、未来(the hotel where I will be staying)があるので、やはり文脈から意味を考えることになります。もしかすると、その人はホテルのオーナーなのかもしれません。いつもこのブログで言っていることですが、文脈は英語の理解にはとても重要です。
2015年3月22日日曜日
like ~ better thanかlike ~ more thanか?
「私は夏がとても好きです」を英語で
I like summer very much.
というのに、「私は冬よりも夏が好きです」は
I like summer better than winter.
と学校では習いました。最上級なら下のようにbestです。
I like summer (the) best.
しかし、ここでなぜmoreやmostではなくbetterやbestを使うのだろうかと思っている人は多いのではないでしょうか?原形-比較級-最上級はmuch - more -mostと変化するのが自然なのに、likeのときにmuch - better - bestになるのは不思議に思われます。better/bestとmore/mostではどちらが正しいのでしょうか?
理由はわかりませんが、結論としては、better/bestでなくてはならないのではなく、more/mostでもいいとのことです。
学校ではlikeにはbetter/bestとかなり厳しく言われましたが、答えがいくつもあると教えるのが面倒なので統一していたようですね。こういうところにも日本の英語教育の問題があるように思われます。つまり、教えやすさを優先するために、複雑なことを単純なルールに無理矢理落とし込んでしまうというものです。
ところで、
I like summer better/more than winter.
なら問題は起こらないのですが、これが
I like him better/more than you.
だと
I like him better/more than I like you
I like him better/more than you like him (you do).
の2つの意味にもなってしまい、どちらなのかがはっきりしません。この曖昧さを回避するには上記のように長く言うしかなさそうです。もちろん、文脈でどちらか判断できるなら、こんな面倒な言い方はしなくていいと思いますけどね。文脈はとても大切です。
I like summer very much.
というのに、「私は冬よりも夏が好きです」は
I like summer better than winter.
と学校では習いました。最上級なら下のようにbestです。
I like summer (the) best.
しかし、ここでなぜmoreやmostではなくbetterやbestを使うのだろうかと思っている人は多いのではないでしょうか?原形-比較級-最上級はmuch - more -mostと変化するのが自然なのに、likeのときにmuch - better - bestになるのは不思議に思われます。better/bestとmore/mostではどちらが正しいのでしょうか?
理由はわかりませんが、結論としては、better/bestでなくてはならないのではなく、more/mostでもいいとのことです。
学校ではlikeにはbetter/bestとかなり厳しく言われましたが、答えがいくつもあると教えるのが面倒なので統一していたようですね。こういうところにも日本の英語教育の問題があるように思われます。つまり、教えやすさを優先するために、複雑なことを単純なルールに無理矢理落とし込んでしまうというものです。
ところで、
I like summer better/more than winter.
なら問題は起こらないのですが、これが
I like him better/more than you.
だと
I like him better/more than I like you
I like him better/more than you like him (you do).
の2つの意味にもなってしまい、どちらなのかがはっきりしません。この曖昧さを回避するには上記のように長く言うしかなさそうです。もちろん、文脈でどちらか判断できるなら、こんな面倒な言い方はしなくていいと思いますけどね。文脈はとても大切です。
2015年3月9日月曜日
My favorite fruit is りんご
Yahoo!知恵袋にとても興味深い質問がありました。
「my favorite fruit is りんご」という英文を作りたいのですが、りんごの部分は、「an apple」「apple」「apples」・・・何を入れるのがベストだと思いますか?
その答えとして以下のような選択肢が提示されています。
1. My favorite fruit is apple.
2. My favorite fruit is an apple.
3. My favorite fruit is the apple.
4. My favorite fruit is apples.
5. My favorite fruit is the apples.
6. My favorite fruit are apples.
7. My favorite fruits are apples
8. My favorite fruits are the apples.
これらのうち、どれが正しいのか考えていきたいと思います。参考にしたのはこちらとこちらとこちらのサイトです。
ちなみに、fruitという単語はそのままで単数形にも複数形にもなるので、どちらなのかは読み手が考える必要があります。fruitsは明らかに複数形ですが、主にフルーツの種類がたくさんあるときに使われます。日本語ではフルーツ(fruits)と言いますが、英語ではフルート(fruit)の方が一般的だと思っていていいでしょう。
主語(My favorite fruit/fruits)と補語(apple/apples)は単数・複数の形が一致しているのが望ましいとされています。動詞(is/are)が主語に従うのは基本中の基本です。つまり、ここがisなら主語は単数、areなら複数だろうと考えます。
1~8のどれが正しいのか人によって判断は異なっているようで、正しい答えが見つかっていませんが、様々な意見を総合すると概ね以下のようになると思います。ネイティブでも「正しい英語」には混乱があるということがよくわかる事例です。
1. ○ fruitは単数形です。appleも単数形で両者がisでつながっているので一致に関しては問題はありません。ただ、appleという可算名詞に冠詞がついていないのが不可解で、実際この形は賛否両論です。appleが種類を表すものであるから、つまり下の文のように[kind of]を入れると理解できるという説明もあります。これはappleが輪郭のない名詞になるということでしょう。詳しくはこちらをご覧下さい。
My favorite [kind of] fruit is apple.
2. ○ fruitもappleも単数形で、両者がisでつながっているので一致に関しては問題はありません。ただ、appleにanという不定冠詞がついている状況(不特定の1個のりんご)は若干不可解で、theの方がよいという意見もあります。
3. ○ fruitは単数形です。appleも単数形で両者がisでつながっているので一致に関しては問題はありません。定冠詞のついたthe appleはりんごという種類を示しており、この文は文法的に正しく異論が全く出ていません。ただ、この表現はやや堅いので日常的には使わないそうです。
4. ○ fruitは単数形です。しかし、applesと複数形になっていて主語と補語が不一致です。そういう意味では完全ではないですが、この言い方は使えるとされています。
5. × fruitは単数形です。しかし、applesと複数形になっていて主語と補語が不一致です。しかも、the applesでは何か特定の属性を持つ複数のりんごという意味になり、この文章では不可解です。
6. ○ fruitは複数形です。applesも複数形で両者がareでつながっているので一致に関しては問題はなく、十分通用する言い方であるとされています。下の言い方を推奨している人も多いです。
Apples are my favorite fruit.
7. ○ fruitsもapplesも複数形で、両者がareでつながっているので一致に関しては問題はありません。しかし、fruitsがsのついた複数形であることから、下のような文章で使うのがより自然であるとのことです。
My favorite fruits are apples and pears.
8. × fruitsもapplesも複数形で、両者がareでつながっているので一致に関しては問題はありません。しかし、the applesでは何か特定の属性を持つ複数のりんごという意味になり、この文章では不可解です。
様々な意見を総合すると、5と8以外は「acceptable」です。
「my favorite fruit is りんご」という英文を作りたいのですが、りんごの部分は、「an apple」「apple」「apples」・・・何を入れるのがベストだと思いますか?
その答えとして以下のような選択肢が提示されています。
1. My favorite fruit is apple.
2. My favorite fruit is an apple.
3. My favorite fruit is the apple.
4. My favorite fruit is apples.
5. My favorite fruit is the apples.
6. My favorite fruit are apples.
7. My favorite fruits are apples
8. My favorite fruits are the apples.
これらのうち、どれが正しいのか考えていきたいと思います。参考にしたのはこちらとこちらとこちらのサイトです。
ちなみに、fruitという単語はそのままで単数形にも複数形にもなるので、どちらなのかは読み手が考える必要があります。fruitsは明らかに複数形ですが、主にフルーツの種類がたくさんあるときに使われます。日本語ではフルーツ(fruits)と言いますが、英語ではフルート(fruit)の方が一般的だと思っていていいでしょう。
主語(My favorite fruit/fruits)と補語(apple/apples)は単数・複数の形が一致しているのが望ましいとされています。動詞(is/are)が主語に従うのは基本中の基本です。つまり、ここがisなら主語は単数、areなら複数だろうと考えます。
1~8のどれが正しいのか人によって判断は異なっているようで、正しい答えが見つかっていませんが、様々な意見を総合すると概ね以下のようになると思います。ネイティブでも「正しい英語」には混乱があるということがよくわかる事例です。
1. ○ fruitは単数形です。appleも単数形で両者がisでつながっているので一致に関しては問題はありません。ただ、appleという可算名詞に冠詞がついていないのが不可解で、実際この形は賛否両論です。appleが種類を表すものであるから、つまり下の文のように[kind of]を入れると理解できるという説明もあります。これはappleが輪郭のない名詞になるということでしょう。詳しくはこちらをご覧下さい。
My favorite [kind of] fruit is apple.
2. ○ fruitもappleも単数形で、両者がisでつながっているので一致に関しては問題はありません。ただ、appleにanという不定冠詞がついている状況(不特定の1個のりんご)は若干不可解で、theの方がよいという意見もあります。
3. ○ fruitは単数形です。appleも単数形で両者がisでつながっているので一致に関しては問題はありません。定冠詞のついたthe appleはりんごという種類を示しており、この文は文法的に正しく異論が全く出ていません。ただ、この表現はやや堅いので日常的には使わないそうです。
4. ○ fruitは単数形です。しかし、applesと複数形になっていて主語と補語が不一致です。そういう意味では完全ではないですが、この言い方は使えるとされています。
5. × fruitは単数形です。しかし、applesと複数形になっていて主語と補語が不一致です。しかも、the applesでは何か特定の属性を持つ複数のりんごという意味になり、この文章では不可解です。
6. ○ fruitは複数形です。applesも複数形で両者がareでつながっているので一致に関しては問題はなく、十分通用する言い方であるとされています。下の言い方を推奨している人も多いです。
Apples are my favorite fruit.
7. ○ fruitsもapplesも複数形で、両者がareでつながっているので一致に関しては問題はありません。しかし、fruitsがsのついた複数形であることから、下のような文章で使うのがより自然であるとのことです。
My favorite fruits are apples and pears.
8. × fruitsもapplesも複数形で、両者がareでつながっているので一致に関しては問題はありません。しかし、the applesでは何か特定の属性を持つ複数のりんごという意味になり、この文章では不可解です。
様々な意見を総合すると、5と8以外は「acceptable」です。
2015年3月3日火曜日
時や条件の副詞節では現在形
「家に着いたら電話します」と英語ではどう言えばいいでしょうか?
a. I will call you when I get home.
b. I will call you when I will get home.
正解は「a」です。時や条件の副詞節(~したとき、~したならば)では未来のことであっても現在形を使うという法則は学校で学んだ英文法では特に有益だと思っています。英語の世界は例外に苦しめられることが多いのですが、これはかなり鉄板な法則だからです。せっかく学校で勉強した有益な英文法を大人になって忘れてしまってはもったいないですね。
それでは、「彼がいつ戻るのか知りません」はどちらになるでしょうか?
a. I don't know when he will come back.
b. I don't know when he comes back.
この場合は名詞節なので現在形にする必要はありません。したがって、正解は「a」になります。文法偏重の受験英語は役に立たないという批判を受けて今ではセンター試験にヒアリングが導入されていますが、こういう基本的な文法はおろそかにすべきではないです。
英会話が得意な帰国子女の書いた英語を見て(あまりに文法がでたらめなので)唖然としたことがあります。英語学習は文法を主体とする読み書きとコミュニケーションが両輪で、そのどちらかが欠けても不完全なものになってしまいます。
そう考えたとき、センター試験のヒアリングがいちばん中途半端で役に立たないと思われますね。あのヒアリングは一方的に聞くだけなので、英文法の学習にもコミュニケーションの訓練にもなっていないからです。あれはいったい何のためにやっているのでしょうか?w
a. I will call you when I get home.
b. I will call you when I will get home.
正解は「a」です。時や条件の副詞節(~したとき、~したならば)では未来のことであっても現在形を使うという法則は学校で学んだ英文法では特に有益だと思っています。英語の世界は例外に苦しめられることが多いのですが、これはかなり鉄板な法則だからです。せっかく学校で勉強した有益な英文法を大人になって忘れてしまってはもったいないですね。
それでは、「彼がいつ戻るのか知りません」はどちらになるでしょうか?
a. I don't know when he will come back.
b. I don't know when he comes back.
この場合は名詞節なので現在形にする必要はありません。したがって、正解は「a」になります。文法偏重の受験英語は役に立たないという批判を受けて今ではセンター試験にヒアリングが導入されていますが、こういう基本的な文法はおろそかにすべきではないです。
英会話が得意な帰国子女の書いた英語を見て(あまりに文法がでたらめなので)唖然としたことがあります。英語学習は文法を主体とする読み書きとコミュニケーションが両輪で、そのどちらかが欠けても不完全なものになってしまいます。
そう考えたとき、センター試験のヒアリングがいちばん中途半端で役に立たないと思われますね。あのヒアリングは一方的に聞くだけなので、英文法の学習にもコミュニケーションの訓練にもなっていないからです。あれはいったい何のためにやっているのでしょうか?w
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