2014年2月24日月曜日

museum for fine arts

昔は紙の英和辞典を愛用していましたが、今では辞書はオンラインのものしか使いません。いちばん便利なのはやはり英辞郎ですね。英和としても和英としても使えるし、単語数が多いので重宝しています。

ただし、 英辞郎に書かれていることの信頼度は決して高くはないので、書かれていることを鵜呑みにしないような上級者向けの辞書であることは間違いないです。

例えば、英辞郎で「美術館」を調べたときにmuseum for fine artsと書かれていて驚いたことがあります。最近の英辞郎ではこの問題が修正されたようで、museum of fine artsになっていました。

英語圏ではない国にはmuseum for fine artsと称している美術館もあるようですが、アメリカではやはりmuseum of fine artsだと思います。有名なボストン美術館もそうですね。

museum for fine artsが間違っているとまでは言えないかもしれませんが、英語には「ふつうはそうは言わない」という表現がいくらでもあります。そういうのは理屈ではないので、多読を通して身につけていかないといつまでも英語は上達しないでしょう。

島根大学サテライトキャンパスin飯南

2014年3月15日(土)に「島根大学サテライトキャンパスin飯南」というイベントが開催されます。テーマは未利用資源を活用した地域活性化とのことです。日本の過疎地は存続が危ぶまれるぎりぎりのところまで来ています。こういうイベントが地域の活性化につながるとよいですね。

さて、ただ一つ私が気に入らないのは「○○in××」という イベントの名前です。もちろん、日本語なのになんで「in」なのですか?と言いたいのです。日本で開催されている多くのイベントにこのような名前がついていますが、違和感を感じている人は少ないのでしょうかね?

私は日本人としてイベント名によくある「○○in××」という書き方が大嫌いです。こういうのを見るたびに気持ちが悪くなってきます。日本人が日本語を操る能力が低下していることの表れだと思っています。

じゃあ、こういうときにはどう書くのかと問われそうですが、私なら「島根大学飯南サテライトキャンパス」と書きますね。なぜこう書けないのかなと思っています。

2014年2月23日日曜日

静かに(Silently)

車を運転していると「静かに(Silently)」と書かれた看板(注意書き)をしばしば見かけます。道路が住宅街のそばを通っているときなどに掲げられているのかなと思っています。


車は走れば音が出ます。静かにしたくてもどうしようもないです。道路管理者がアホなんでしょうけど、こんなのがあったところでドライバーは何をしていいのか全くわからないですね。

日本語の「静かに」もどうしようもないですが、「Silently」と英語で書いてあるのはもっと意味がわかりません。Silentlyは副詞なので、これだけで静かにせよという意味にはなりません。これを訳した人はきっと、「静かな」はsilentで「静かに」はsilentlyだと単語帳か何かで機械的に覚えたんでしょうね。

「Drive silently」などとしておけばよかったかというと、そういうわけにもいきません。silentとquietを比べると、前者が全く音のない完全な沈黙であるのに対して、後者はわずかな音はあっても気に障るようなものではないという状況です。つまり、silentな状態で車を走らせるなど不可能なのです。

もしかして、これは車の中では音楽を聴いたりしゃべったりせずに完全な静寂を保って運転せよという意味なんでしょうかね(笑)。

The University of 地名

銀行と同様に大学もUniversity of+地名と書くのが一般的です(もちろん、地名+Universityでもいいです)。例えば、東大の正式名称は定冠詞がついたThe University of Tokyoです。

私が昔留学していたカリフォルニア大学(デービス校)では、定冠詞のないUniversity of Californiaしか見たことがなかったので、これが正式名称なのかとずっと思っていました。(もちろん、文中に出てくるときは文法に従いtheがつきます。)

ところが、最近発見した大昔に作られたと思われる大学のロゴではThe University of Californiaとなっていたので、おそらくはカリフォルニア大学の正式名称にはtheがついているのでしょう。


大学名の最近の傾向として、カリフォルニア大学のようにあえて定冠詞を使わないことで大学の権威よりも親しみやすさを打ち出しているように思われます。


ちなみに、東大は海外では完全なる無名大学で、ふつうの人は誰も知らないので、英字新聞などではほとんどTokyo Universityと書かれていますね。

Bank of 地名

京都銀行が店舗の周囲にBank for Kyotoと書いていて驚いたことがあります。京都のための銀行、京都に貢献している銀行という意味なのかなと思いましたが、英語ではふつうはそうは言わないというレベルで間違っています。

正しくはBank of Kyotoであり、実際京都銀行の英語の正式名はThe Bank of Kyotoになっています。

このようにBank ofの後は地名が来るのが一般的で、Bank of Mitsubishiのような言い方はふつうはしないはずです。例えば、みずほ銀行はMizuho Bank、りそな銀行はResona Bank、旧三菱銀行はThe Mitsubishi Bankです。

私が疑問に思っているのは三菱東京UFJ銀行の英語の正式名称で、Tokyoの後ろにMitsubishi UFJがくっついてThe Bank of Tokyo-Mitsubishi UFJとなっています。Tokyoという地名が入っているからMitsubishi UFJがあってもいいということなんでしょうかね?

ちなみに、英語名では東京と三菱の順序が入れ替わっているのは、東京銀行の方が海外での知名度が高いからだと聞いたことがあります。それにしても、「三菱東京UFJ」なんてひどい名前ですよね。

a kind of a carは間違っている?

a kind of a car(a kind of a+可算名詞)は間違っている、正しくはa kind of car(a kind of+aのない可算名詞)であるという説明をよく見かけますが本当でしょうか?

a kind of a carは私にもやはり抵抗がありますが、a strange kind of a carなどは許容されると言っている人もいます。What kind of a car is it?という表現も使われているので、こういうのが絶対にだめとは言い切れないですね。

一方、a kind of carが可能な説明として、a kind ofが形容詞的に使われているというもの以外に、carの前にaがないので「可算名詞の車」(輪郭のある車)ではなく「車の性質」(輪郭のない車)を表しているというものがあって、これはおもしろいなと思いました。

さて、このようなkind ofを使う表現には次の二つのタイプがありますが、両者の意味は微妙に異なっていると言っている人がいます。

a. It is a kind of car.
b. It is kind of a car.

前者は「車の一種」という意味で、その意味しているものは(どんなものかはわかりませんが、いずれにしても)車です。後者は「1台の車のようなもの」という意味で、その意味しているものは一般的な車とは異なっている可能性があるとのことです。

2014年2月17日月曜日

ポルトガル語由来の日本語

カタカナ言葉はたいてい英語が語源だろうと思っていると、思わぬ落とし穴が待ち受けています。例えば、カステラに相当する英語はいくら探しても見つかりません。

カステラはポルトガル語です。日本は鎖国を続けていた江戸時代にも長崎の出島でオランダなどと交流があったので、そこから入ってきたのだろうと思ったのですが、キリスト教の布教を避けるため出島におけるポルトガル人は早々に国外追放になってしまったのだそうです。

実は種子島にポルトガル人が漂着して以降の16世紀後半にはカステラは長崎に伝えられていたらしいです。

日本語になったポルトガル語にはカステラ以外にも、コップ、ビスケット、カボチャ、カルタ、金平糖、タバコ、カッパ、パンなどいろいろあるようです。

この中でもいちばんの驚きは(諸説あるようですが)「天ぷら」がポルトガル語だったことです。天ぷらは海外でもよく知られた日本料理の代表の一つですが、その語源がポルトガル語だったなんてびっくりですね。完全に日本語化しているので、テンプラとカタカナ表記することもなくなっています。

ポルトガル語以外にもロシア語由来のノルマ、カンパ、インテリ、コンビナートなども日本語として定着しています。こういうのを調べてみるとたいへんおもしろいです。

2014年2月15日土曜日

I love you に対する返事

I love youに対する返事は次のどちらが正しいでしょうか?

a) Me too.
b) You too.

答えは b) です。I love youに対して、I love you, tooという返事が完全なのですが、前のI loveを省略してYou tooになるのです。a) だとI love me, tooになるので意味がわからないですね。

これと同様に、It was good to see youに対する返事としては、Me tooではなくYou tooが正しいです。日本語的には「お会いできてよかったです」に対して「あなたもです」と答えているわけなので、非常に違和感がありますね。とっさにMe tooと答えてしまうのは日本人には不可避かもしれません。

ちなみに、It was good to see youに対する返事としてYou tooだけではぞんざいなので、Have a nice eveningとかSee you tomorrowとか後ろに何かくっつけた方がいいと思います。

プレゼントありがとう

プレゼントに対するお礼を贈ってくれた相手に言うときに、以下のどちらが正しいでしょうか?

a) Thank you for your present.
b) Thank you for my present.

答えは a) です。基本的にmy presentというのは私がもらったプレゼントのではなく、私があげたプレゼントの意味です。どちらになるのかわからないときは

Thank you for the present.

などと言うこともできます。この場合話し手と聞き手が話題のpresentが何なのかを文脈の中で共有しているので、特定のものを意味するtheを付ければいいわけです。これだけで

Thank you for the present you gave me.

と同じ意味になります。こういうのは名詞にtheを付ける典型的なわかりやすい用例ですね。

2014年2月10日月曜日

embarrassedとashamedの違い

ツイッターでは有名な@Kelangdbnという人が英語の解説をされておられます。英語で「恥ずかしい」は何というのかという問いに対して、「embarrassedだと思いますけどね。ashamedは堅い感じ。」とお答えになっておられますが、これは正しいのでしょうか?


まず、英語で「恥ずかしい」は何というのかという問い自体に無理があります。このブログで何度も何度も言っていることですが、文脈がなければこの「恥ずかしい」がどういう意味なのかわかりません。言葉の解釈は文脈がすべてです。

embarrassedとashamedですが、前者は他人から笑われるような恥ずかしいことをしてしまったときの恥ずかしさです。例えば、渾身のジョークを言ったけど全然おもしろくなくて場をしらけさせてしまったときです。

後者は何かよくないことをしたことを心の中で恥じるような気持ちです。例えば、友だちの心を傷つけるようなことを言ってしまったことを恥じているというときです。

embarrassedは「恥ずかしい」、ashamedは「恥じている」と覚えておけばなんとかなるかもしれませんが、文脈によっていろんな意味になる可能性は捨てきれません。どういう意味かは結局文脈がないとわかりませんね。

自動車関係の英語

アメリカで自動車の免許を取得するときに苦労するのが、日本でしみついてしまった和製英語の数々です。なぜか自動車関係の用語には和製英語がとても多いのです。こういう言葉はよほど気を付けていないと、とっさに口から出てしまうものです。

ハンドル steering wheel
ウインカー turn signal
フロントガラス windshield
バックミラー rear-view mirror
クラクション horn
アクセル accelerator/gas pedal
サイドブレーキ parking brake
チェンジレバー gear stick/stick shift
ナンバー license number
ナンバープレート license plate(注:イギリス英語ではnumber plateを使うそうです)
パンク(したタイヤ) flat tire

ところで、アメリカでドライブするなら、いちばん重要なフレーズがこれだと思います。レジで前払いしないと給油できないガソリンスタンドが多いので本当によく使います。

Ten dollars of gas on pump #1, please.
(1番のポンプに10ドル分のガソリンを下さい。)

アメリカのガソリンスタンドはセルフ式でクレジットカードで払えるんじゃないの?と思う人が多いと思いますが、カードに登録された郵便番号の照合を行うケースが多く、日本のクレジットカードは基本的にセルフ式の機械を通りません。

I got a flat tire.
My car has run out of gas.
I was locked out of the car.

なども有用だと思いますが、幸い使ったことがありません。

あと、アメリカで運転中に警察に止められたら、車から降りずに手をハンドルに置いたまま話すというのを絶対に忘れてはいけないです。私は昔ティファナボーダーの直前で(メキシコに行くつもりはなかったので)強引にUターンしたら警察に止められて、車から降りようとしたらひどく怒られました(笑)。

2014年2月6日木曜日

隠岐のトカゲ岩

隠岐(道後)にはトカゲの形をしたトカゲ岩という有名な岩があります。この岩を見てトカゲではなくキツツキと思う人もいるようですけどね。


隠岐の観光名所に日本語と英語で書かれた案内版が必ず立てられているのはとてもいいことです。英語の方は日本語をプロが翻訳したようなのですが、詰めが甘いのはやっぱり日本だなと残念に思いました。

日本の英語版税関申告書もそうなのですが、たとえプロに翻訳してもらっても、印刷された段階で校正をする日本人が印刷屋の誤りに気づかないというのは日本ではたいへんありがちです。

JapaneseのJが小文字になっているのと、As a resultの前に空白がないのがとても残念です。

世界一美しい二枚貝

島根県に隠岐島があると思っている人は多いと思いますが、隠岐島という単独の島はありません。島根県にあるのは隠岐諸島です。しかし、隠岐諸島という意味で隠岐島ということはあるようですね。英語ではOki Islandsとしておけば間違いはないでしょう。

隠岐諸島は道後水道より東側の道後(島の名前は道後島とは言わずにただ道後と言われています)と西側の島前(中ノ島、西ノ島、知夫里島)から構成されています。

この前人生で四度目の隠岐旅行に行って来ました。フェリー乗り場の向かいにある隠岐自然館に行くと、ヒオウギというきれいな貝が展示されていましたが、その説明に疑問を感じました。


「英国のマーガレット王女が来日されたとき、 波部忠重博士(日本貝類学会副会長)が日本の貝について説明をした。王女はヒオウギを見て、その美しさに感激し声を上げた。「こんなきれいな貝は大英博物館にもない」と言ったという。」

その疑問は、大英博物館というは世界的に美しい貝をその美しさを理由として収蔵するような博物館なのかなということです。大英博物館は自然史博物館ではないのだから、ヒオウギの展示がある方がむしろ驚きです。

ところで、British Museumをどうして英国博物館ではなく大英博物館と訳したのか昔から疑問に思っていました。その答えがここにあって、そうだったのかと感激しています。