2014年8月20日水曜日

西鉄の英語

最初にお断りしておきますが、西鉄というのは西日本鉄道という福岡の鉄道会社です。西日本旅客鉄道(JR西日本)ではありません。この西鉄の天神大牟田線に大橋という駅があります。


「大橋駅」という日本語の駅名の下に「Ohashi Sta.」(Oの上に横棒)というアルファベット表記があります。日本語が読めない外人にも駅名がわかるようにという親切なのでしょう。

西鉄は「大橋駅」を英語表記にしたつもりなのでしょうが、Oの上に横棒がある文字は「お」ではなく「おお」であることを示すローマ字です。ローマ字は英語ではないので、こんな文字はもちろんアメリカではふつう使われないし、いったい誰のための「英語表記」なのだろうか?と疑問に思いました。

大橋は「Ohashi」と書けばいいと思います。これだと「おはし」と読まれるという心配があるのかもしれませんが、上に横棒がある変な英語よりもよっぽどいいと思いました。

Stationの略と思われるSta.という表記も日本でしばしば見かけますが、私はこのような書き方が大嫌いです。省略語というのは省略しても相手が正確に理解できるというコンセンサスがあってはじめて利用できるものです。面倒くさいから省略しても相手もわかるだろうという考え方は間違っています。

例えば、英語の論文で省略語を使うとき、最初は省略せずにフルに書いておいて、二度目から読者とのコンセンサスの下で省略語を使うことが許されます。もちろん、専門雑誌に掲載される論文で読者はみんな省略語の意味がわかるというのなら最初から省略語を使ってもいいでしょうね。

StationをSta.と省略することによりその意味を瞬時に正しく理解できる人の数は確実に減ってしまいます。それなら省略などせずにStationと書けばいいのです。どうしてもスペースが足りないので省略したいときがあるかもしれません。しかし、上の写真を見ればわかる通り、スペースなら十分にあります。

しかも、これはパーソナルな言葉のやりとりではなく駅名を示すオフィシャルな看板です。誰にでも正確に意味がわかるように書くべきです。日本ではSta.と同じくらいUniv.も多いですが、こういう省略語を安易に使うべきではないと思っています。

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