2014年5月13日火曜日

Sorry about that.

時間にちょっとだけ遅れてきて友人を待てせてしまったときなど、アメリカで軽く謝るときに使われる常套句に「Sorry about that.」があります。

私が1年間アメリカにいた間に30回くらい聞いたので、非常によく使われていると思います。その経験から言うと、本当に謝る気持ちがあるのだろうか?と思うほど軽々しく使われています。

アメリカでは会社の不手際についてその会社の末端社員が謝ってくれることはめったにありません。例えば、飛行機が遅れて乗り継ぎができなかったりして客がたいへんな迷惑を被ったときに航空会社の係員のところに行っても、「このたびはご迷惑をおかけしてたいへん申し訳ございません」のような謝罪の言葉はなかなか聞けません。

なぜなら、飛行機が遅れたのはその社員の過失ではないからです。そういう場面で何ら謝罪の言葉など聞けなかったことも謝罪の気持ちの感じられない「Sorry about that.」と言われたこともあります。そして、アメリカにおいてはその社員が端末を操作して代替フライトを見つけてくれたら、客がその社員に「Thank you.」とお礼を言うのは当たり前です。

アメリカでディープに謝ってばかりいると逆にコミュニケーションの障害になり対人関係を悪化させかねません。そんな国で「Sorry about that.」は人と人の間の潤滑油のように効果的に使われていると思いました。

一方、とにかく謝ることが美徳・人徳であるような土下座国家日本では、一刻も早く相手が期待する以上に深く謝っておくのが効果的です。世間が勝手に騒いでいるのに、「お騒がせして申し訳ございません」などと冒頭から謝罪の言葉が入る日本は世界でも相当希有な国ではないかと思っています。

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